目次
- 1.ホームページの保守管理とは?
- 2.放置されたホームページが招く3つの事業リスク
- 2-1.リスク1:セキュリティ被害で事業が停止する危険
- 2-2.リスク2:機会損失で売上が減る
- 2-3.リスク3:法的リスク・社会的責任を問われる危険
- 3.会社の規模は無関係!「うちは大丈夫」が一番危険
- 4.対策:適切な保守管理で事業を守ろう
- 4-1.1. 月に1回、ホームページを隅々までチェックする
- 4-2.2. 信頼できるWEB制作・管理業者に保守管理を委託する
- 5.よくある質問Q&A
- 5-1.Q. ホームページ制作を依頼した会社が「管理もします」と言ってくれています。それで大丈夫でしょうか?
- 5-2.Q. 保守管理費の相場はいくらくらいですか?
- 6.【さいごに】対策していれば怖くない!
- 「ホームページは一度作ったら終わりでしょ?」
- 「制作会社に頼んだから、あとは放っておいても大丈夫だよね」
- 「うちみたいな小さい会社のサイト、誰も見てないし気にしなくていいか」
そう思って、ホームページをつくって以降、何もせず放置していませんか?特に、地方を拠点にしている事業者様は、県外のホームページ制作会社に外注していて連絡が取りづらかったり、社内にWEBに詳しい人材がおらず、どうしようもない…と感じている方も多いのではないでしょうか?
実際に、放置されたホームページが原因で事業に大きな損失を被った企業は少なくありません。この記事では、ホームページの保守管理の基本と、保守管理をしないことで起こりうる3つの深刻なリスクについて、現役WEBディレクターがトラブル事例を交えながらわかりやすく解説します。
以下に当てはまる方は是非ご一読ください。
- ホームページを公開して以降、手をつけていない方
- ホームページが突然見れなくなるなど、トラブルに遭ったことがある方
- WEBに詳しくない経営者や上司に、保守管理の必要性を示したいWEB担当者の方
ホームページの保守管理とは?

ホームページの保守管理とは、一言でいうと「ホームページを健全に維持・運用するための業務」を指します。例えば、以下のようなものが挙げられます。
- サーバーやドメインの更新管理:ホームページを公開し続けるために必要な更新手続き
- セキュリティ対策:不正アクセスや情報漏えいを防ぐための対策
- バックアップ:万が一のデータ破損に備えて、データを定期的に保管する
- コンテンツの更新:古くなった情報を更新したり、新しい情報を追加したりして、ホームページを常に最新の状態に保つ
これらの業務は、家を定期的に掃除したり、劣化した部分を直したりするのと同じです。日々の手入れを怠ると、家が傷んで住めなくなるのと同じように、ホームページも適切な管理をしないと、さまざまな問題を引き起こすことになります。
放置されたホームページが招く3つの事業リスク
リスク1:セキュリティ被害で事業が停止する危険

🔥 事例
A社では、3年前に制作したホームページを一度も更新せずに放置していました。ある日突然、サイトが改ざんされて変な外国語のページが大量に追加され、見るからに不審なサイトに。また、Googleから「危険なサイト」と判定され、検索してもホームページが表示されなくなりました。復旧作業に追われ、約2週間は本来の営業活動に支障が出ました。
💡 解説:なぜセキュリティ被害が起こるのか?

ホームページは常に外部からの攻撃にさらされており、攻撃されると復旧に数日〜数週間かかる場合があります。
特に以下の状況では、被害を受けるリスクが高くなります。
- 古いシステムの使用:セキュリティの穴がある状態で修正されていない
- パスワードのずさんな管理:同じパスワードを使い回している、覚えやすく簡単なパスワードを使用している
- 定期的なチェックの不足:不正アクセスに気づかない、発見が遅れて被害が拡大する
- バックアップの不備:被害を受けた際に復旧できない
中小企業だから安全ということはありません。むしろ、セキュリティ対策が不十分な企業ほど狙われやすいのが現実です。
リスク2:機会損失で売上が減る

🔥 事例
B社では、10年前から同じ委託業者にホームページの管理を任せていましたが、ある日突然サーバーエラーでホームページが見れない状態になり、発生3日後に気づきました。復旧にかかった数日間、お客様からのお問い合わせやメールが受信できない状態になり、失った問い合わせの件数すらわかりませんでした。
💡 解説:見えない損失の大きさ

「ホームページが表示されない」「表示が崩れてボタンが押せない」「情報が古くお客様に誤った情報を伝えてしまった」。これらの機会損失は、売上として数字に表れないため気づきにくいのが特徴です。「今月は調子が悪かったな」と思っている間に、実は大切な見込み客を逃し続けているかもしれません。
特に現代では、多くのお客様がまずインターネットで情報を調べてから来店や問い合わせを行います。そのタイミングでホームページに問題があると、お客様は他の会社に流れてしまいます。
リスク3:法的リスク・社会的責任を問われる危険

🔥 事例
D社では、3年前に制作したホームページを一度も更新せずに放置していました。ある日突然、ホームページが改ざんされ、お問い合わせフォームに届いたお客様の個人情報(氏名、電話番号、メールアドレス)が流出する事態が発生。影響を受けた顧客への謝罪対応、原因調査、再発防止策の実施に追われ、約1ヶ月間は本来の営業活動がほとんどできませんでした。さらに、取引先からの信頼も大きく失墜し、一部の企業との取引が停止となりました。
💡 解説:個人情報流出の深刻さ

個人情報の流出は、単なる「迷惑をかけた」では済まない、法的責任と社会的責任を伴う重大事態です。
法的リスク:
- 個人情報保護法違反:適切な管理を怠った場合、法律違反として罰則の対象に
- 損害賠償請求:被害を受けた顧客から損害賠償を求められる可能性
- 行政指導・命令:個人情報保護委員会からの指導や改善命令
社会的責任:
- 謝罪・補償対応:すべての影響を受けた顧客への個別対応
- 信頼回復の困難さ:報道されれば企業イメージの著しい低下
- 取引先への影響:BtoBの場合、取引停止や契約解除のリスク
- 採用への影響:求職者からの応募減少
特に中小企業にとって、個人情報流出の対応にかかる時間とコストは計り知れません。「うちは小さい会社だから狙われない」という考えは危険です。むしろ、セキュリティ対策が手薄な中小企業こそ、被害を受けやすく、一度被害を受けると立ち直るのが困難です。
会社の規模は無関係!「うちは大丈夫」が一番危険
ご紹介した3つのリスクに、少しドキッとした方もいるのではないでしょうか?
しかし、それでも多くの経営者の方が「うちは小さい会社だから大丈夫」「今まで問題なかったから大丈夫」と考えがちです。この「大丈夫」という考えこそが、最大のリスクです。
昨今、SNSでも知人のアカウントが乗っ取り被害にあっていませんか?個人でも不正アクセスの被害に遭う時代。企業の場合、不正アクセスを受けると、自社だけではなくお客様や取引先にも被害が拡大する恐れがあるため、より一層注意が必要です。
小さな会社ほど、
- セキュリティ対策が不十分
- 被害に気づくのが遅い
- 復旧に時間がかかる
という場合が多いため、被害に遭う&被害が拡大するリスクが高いといえます。
また、地震や台風のような自然災害のように、ホームページのトラブルは予告なく発生します。「今まで大丈夫だったから、今後も大丈夫」ということはありません。むしろ、放置する期間が長いほどリスクは高まります。
対策:適切な保守管理で事業を守ろう

1. 月に1回、ホームページを隅々までチェックする
では、このようなトラブルに見舞われないために、何ができるのでしょうか?
まず、ホームページの知識がなくてもできることとして、
- 最低でも月に1回程度、ホームページを全ページチェックし、エラーや古い情報がないか確認する
- お知らせや事業内容などを最新情報に更新する
などがあります。
ここでは、必要最低限の目安として「月に1回」としていますが、ホームページには常に最新の情報を掲載することが大切です。会社の情報を更新するときは、ホームページもセットで更新することを徹底しましょう。
2. 信頼できるWEB制作・管理業者に保守管理を委託する
とはいえ、専門知識がないと難しいこともあります。 おすすめの対策は、保守管理の重要性を認識し、信頼できるWEB制作・管理業者に保守管理を委託することです。
適切な保守管理により、以下のことが可能になります。
- 定期的なセキュリティ更新でハッキングリスクを最小限に
- サイトの動作確認で機会損失を防止
- 情報の定期更新で信頼性を維持
- バックアップ体制で万が一の際も迅速な復旧が可能
誠実なWEB制作・管理業者であれば、保守管理状況を定期的に報告したり、改善が必要な点があれば提案してくれたりと、ホームページを放置せずメンテナンスしていることを能動的に報告してくれるでしょう。
保守管理業務の費用相場は、月々数千円から数万円です。この費用を「コスト」と考える方も多いですが、実際には「保険」のようなものです。例えば、セキュリティ被害による事業停止で1日50万円の損失があった場合、年間の保守管理費用は1日で元が取れてしまいます。問題が起きてから対処していては、保守管理費以上に、金額やお客様の信頼を失ってしまうことになりかねません。
ホームページを持っている企業は、制作費だけでなく保守管理費も必要であることを理解しましょう。
よくある質問Q&A
Q. ホームページ制作を依頼した会社が「管理もします」と言ってくれています。それで大丈夫でしょうか?
A. 基本的には大丈夫です。一般的に、制作した業者さんがそのホームページの構造を一番理解しているため、保守管理も合わせてお願いするケースがほとんどです。ただし、「管理」という言葉の範囲は、制作会社によって大きく異なります。「サーバーの契約更新だけ」「年に1回更新作業を行う」など、限定的な内容の場合もあります。トラブルを未然に防ぎ、事業損失を防ぐためには、セキュリティ更新や定期的なバックアップなど、具体的な保守管理の内容を確認しておくことが重要です。
Q. 保守管理費の相場はいくらくらいですか?
A. 一般的には月額1万円~5万円が中小企業のホームページの保守管理費の目安となります。この金額には、サーバー代やドメイン代といった最低限の維持費用に加え、セキュリティ対策、システムのアップデート、緊急時の対応などが含まれていることが多いです。ただし、サービス内容やサイトの規模によって大きく異なります。
もし「月額数千円」といった安価なプランの場合は、サーバーやドメインの契約更新のみで、トラブル時の対応やコンテンツの更新は別途費用がかかるケースがほとんどです。しっかり確認しておきましょう。
【さいごに】対策していれば怖くない!
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
私たちgreenciderは、ホームページを制作・保守管理する側です。この記事では、損失の話をたくさんご紹介したため、「ホームページを持つことはリスクなのでは…」「ホームページは怖いな…」と思わせてしまったかもしれません。
しかし、本当にお伝えしたいのは、「ホームページは事業の成長に大いに役立つものであり、その価値を発揮するためには適切な保守管理が必要だ」ということです。
私たち制作側も、つくらせてもらったホームページがしっかり事業の役に立つようにと願っていますし、悪質な攻撃にあったり、お客様の信頼を失うようなものになったりすることは不本意です。そうした事態を防ぐため、日々技術をアップデートし保守管理しています。
ホームページをひとつの資産として大切にメンテナンスし、その価値を感じていただけるよう、私たちもサポートを続けていきます。
私たちgreenciderは「地域のクリエイティブ・パートナー」です。
スタッフそれぞれの専門スキルや興味関心を生かして、地域課題をクリエイティブの力で解決しています。
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