印刷物の企画・デザイン

2025.2.1

【テンプレート付】失敗しないデザイン依頼方法|印刷物編【発注前の準備が肝心】

  • 「依頼したデザイナーからデザイン案をもらったけど、期待していたのと全然ちがう…」
  • 「デザインを依頼した経験がなく、何をどう伝えたらいいかわからない…」

そう思って、デザインを活用したいのに、なかなか踏み出せずにいませんか?特に、地方を拠点にしていて依頼できるデザイナーのツテのない事業者さまは、費用を抑えるために販促ツールを自作してみるものの、上手く作れず時間と労力を消費してしまい、もう誰かに依頼したい!と考えている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、そんな方向けに、印刷物のデザインを上手に発注するためにデザイナーに何を伝えたらよいかを、現役デザイナーがご紹介します。 プロにデザインを依頼したことのない方でも、この記事を読めば安心です。「こんなはずじゃなかった!」を無くし、よりよいデザイン発注にお役立てください。

また、実際に当事務所でも活用している 「デザイン依頼書テンプレート(印刷物編)」もご用意しております。無料・会員登録不要でダウンロードいただけます⭕️

以下に当てはまる方は是非ご活用ください。

  • よくデザインを外注さんにお願いしている方
  • これからデザイン制作を依頼しようと思っている方
  • デザイン依頼で一度失敗した経験がある方

依頼から納品までの流れ

まずは、印刷物のデザインをデザイナーに依頼して納品されるまでの、基本的な流れを知っておきましょう。

大きく「依頼」「制作」「印刷」の3段階に分けて説明します。

1. 依頼と打ち合わせ

依頼や相談をしたいデザイナーや会社に、まずは連絡してみましょう。依頼したい内容について、打ち合わせを通して具体的にすり合わせ、見積もりをもらいます。見積もり内容に納得したら、正式発注します。見積もりまでは無料で対応してもらえる場合が多いです。

2. 制作とブラッシュアップ

制作に入ると、大まかなデザインで方向性を確認する「ラフデザイン」の確認があることが多いです。 これは、最後までしっかり作り込んだ後に「イメージと違った…」となり作り直しになることを防ぐためです。

ラフデザインで大まかな方向性が決まれば、デザイナーがデザインの完成度を高めるブラッシュアップを行います。その後、仕上がったものを依頼者が確認し、修正指示をします。これを何度か繰り返し、デザインを完成させていきます。

デザインが仕上がり、誤字脱字なども含めて依頼者・デザイナー双方での確認が完了したら、デザイン完成(校了)となります。

3. 印刷・納品

デザイン完成後は印刷工程に入ります。この段階になると、デザインや文字などの修正はできません。また、インクや紙質、部数など、さまざまな印刷オプションがあり、これらにより印刷費が変動するため、デザイナーと事前に決めておきましょう。

印刷が終われば、いよいよ完成品が届きます!仕上がりをしっかり確認できたら、納品・入金となります。

なぜ思い通りのデザインができないのか?

イメージに近い制作実績がない

「子ども向けのかわいいデザインが得意」「食品や農業関係のデザインの経験が豊富」など、デザイナーには得意分野や強い領域があります。 逆に言えば、依頼者側が希望するデザインのイメージと、デザイナーの得意なスタイルがかけ離れていると、期待通りのデザインになりにくい場合があります。依頼する前に、デザイナーの過去の制作実績を確認し、自分のイメージと合っているかを確認しましょう。

✅ POINT

依頼の際には「◯◯の制作事例を見ました!」とデザイナーに伝えましょう。デザイナーは、依頼者がどんな雰囲気のデザインを求めているか把握できます。

依頼内容の擦り合わせが不十分

思ったデザインが仕上がらない原因のほとんどは、デザイナーと依頼者の擦り合わせ不足です。「誰向けに」「どんな狙いで」「こんなシーンで使う」など、デザインの目的からデザイナーに伝えると、デザイナーはそれに応えるデザインを提案できます。色や雰囲気を指定したい場合は、参考になるデザイン事例も添えてデザイナーに見せると、より期待通りのデザインが仕上がるでしょう。

✅ POINT

依頼相談の段階で、デザイン内容のすべてを決めておく必要はありません。打ち合わせの段階では、「絶対にはずせないポイント」と「相談して決めたいこと」を分けて考えておきましょう。

掲載する情報が整理されていない

印刷物の紙面の面積は限られています。伝えたいことをすべて文章で書き切るスペースは足りないかもしれません。デザインに盛り込む情報や文章は、優先順位をつけて整理する必要があります。 また、消費者の目を引くキャッチコピーやネーミングなどの工夫も必要になる場合もあります。デザインとは“見た目”だけでなく、掲載されている情報も含めて完成することを意識しましょう。

✅ POINT

デザイナーの中には、文章の執筆やキャッチコピーの作成まで任せられる場合と、依頼者がすべての文章を用意する場合があります。前者の場合は、後者に比べ費用は高くなりますが、依頼者の負担が減りデザインの完成度やスピード感が高まります。

デザイン依頼書テンプレートを使って依頼内容をまとめよう

「デザイン依頼シート」とは

では、デザイン発注で失敗しないために、依頼者は具体的に何をすればいいのでしょうか?

結論、greencider特製「デザイン依頼シート(印刷物編)」を記入して、デザイナーに渡しましょう!

このデザイン依頼シートは、デザインを制作するときにデザイナーが必要とする情報をまとめたものです。

普段デザイナーは、依頼者から必要な情報を可能なかぎり聞きとり、聞き出せない部分はみずから考え補って、デザインに反映します。この「補う」作業で、双方の認識のズレが生じやすいのです。

このデザイン依頼シートで必要な情報を1枚にまとめることで、依頼者・デザイナーがおたがいの認識を擦り合わせることができます。

また、「あれを伝え忘れた!」「これって言ったっけ?」という伝達ミスややりとりのコストを削減できるので、結果的にスムーズに、手間をかけずに依頼を進めることができます。

「デザイン依頼シート(印刷物編)」ダウンロード

こちらから無料・会員登録不要でダウンロードできます!書き方のサンプルも付いているため、真似をしながら記入できます⭕️

デザイン依頼シート 印刷物編(PDF)

🚨 注意事項

当シートは、一般的にデザイン業務で確認が必要な事項を整理するものです。発注先のデザイナー様・制作会社様によっては、当シートに記載している業務でも対応できない場合があります。当シートは、あくまでも依頼者側の大まかな希望を伝え、受発注の着地点をすり合わせる目的でご利用ください。

各項目の意味と書き方

では、当シートの順番に沿って、失敗しないデザイン発注のために確認すべき点を順番に見ていきましょう。ダウンロード資料巻末にある「記入例」を参考にしてみてください。

(1)依頼者情報

まずは依頼者の情報を記入します。コミュニケーションをスムーズにするために、希望する連絡手段や、都合のつきやすい時間帯なども記入できます。

過去にデザイナーに依頼したことがあるかどうかも、ぜひ共有してください。制作を進める上でデザイナーが依頼者をどのくらいフォローしたらよいかや、既存デザインを参考にするかどうかなどの指標になります。

(2)デザイン対象について

会社パンフレットを依頼する場合は会社について、商品パッケージを依頼する場合はその商品について記入します。

特徴・強み・コンセプトについては、既存のパンフレットや資料があれば、それもぜひデザイナーに共有してください。また、デザインする上で使用できる画像素材やロゴデザインのデータなどがあれば、その素材の著作権者の承諾を得た上でデザイナーに共有しましょう。写真撮影やロゴデザインも含めて依頼したい場合は、その旨を記入しましょう。

(3)デザイン内容について

会社パンフレットや商品パッケージなど、デザイナーに依頼したい制作物について記入します。ここは、事前にすべてが決まっていなくても、デザイナーとの打ち合わせ時に相談しながら決めても構いません。

「目的・ねらい」 はぜひ記入してみてください💡例えば…

  • イベントチラシの場合→小学生の子どもがいる家族を集客したい
  • 会社パンフレットの場合→取引先との商談の際に理念とサービスを端的に伝えたい
  • お菓子のパッケージの場合→大人の女性向けにおしゃれな雰囲気で目を引きたい

など、「こうしたい!」という想いを記入しましょう。

「使用シーン」 は、「ネット通販で商品発送時に同梱する」「冷蔵商品に貼り付ける」など、その制作物をどう使いたいかを記入します。屋外や冷凍・冷蔵環境で使用する場合は、その旨も記入しましょう。デザイナーから、耐久性のある素材選びのアドバイスがもらえます。

「使用期間」 は、キャンペーン販促物や期間限定商品など、その制作物を使用する期間が決まっている場合は記入しましょう。

「デザインのイメージ」 は、もし強い要望やこだわり、譲れないポイントがある場合はしっかり記入しましょう。また、デザイナーにより具体的にイメージを共有するには、言葉だけでなく参考デザインの写真なども合わせて提示しましょう。

「費用感」「おまかせ感」 は、制作に対する意向を3段階から選んでチェックします。制作をスムーズに進める助けになります。

「文章の作成」 は、掲載するテキストをすべて依頼者で用意するか、情報整理や文章のライティングも含めてデザイナーに依頼したいかを選びましょう。

「納品形式」 は、印刷まで終わった状態で品物を納品してほしいか、データ納品のみかを選びます。

「デザインの二次利用」 とは、制作時に依頼した用途とは異なる目的でデザインを使用することです。例えば、パンフレットのデザインをホームページでも使用する場合などが該当します。

二次利用を行うには、利用する媒体や影響力に応じて二次利用料が発生します。また、著作権法に基づいて、著作者の許諾を得ずに無断で二次利用することはできません。二次利用を考えている場合は、事前にデザイナーに相談しておきましょう。

よくある質問Q&A

Q. 全部お任せで依頼したい…/シートの全てを埋められない…

A. 最低限、デザイン依頼シートの*部分は記入し、「①デザイン対象の情報」と「②絶対要件の提示」は忘れずに伝えましょう

「デザインのことはよくわからないから、プロに任せたい」。そう信頼して依頼をくださることは、制作側としては嬉しいことです。しかし、最低限、次の2点はデザイナーに共有するようにしてください。

①デザイン対象の情報

その商品の特徴や開発ストーリーなど、依頼者側しか持っていない情報は、デザイン制作の際に必要です。デザイン依頼シートの *マークのついた箇所を埋め、実際に商品サンプルをデザイナーに見せたり、ある場合は商品パンフレットやWEBサイト、過去の記事のURLなどを共有しましょう。

②絶対要件の提示

「確定している」「絶対に譲れない」という絶対要件は、太字や赤字で記入してパッとわかるようにしておきましょう。理由とセットで伝えられると、デザイナーも意図をよく汲んでくれます。

逆に、決まっていない点や迷っている部分については、デザイナーに相談し一緒に考えてもらいましょう。目的やターゲット、他の要件との兼ね合いを見ながら、デザイナーの目線から最適な仕様を提案してくれるはずです。

このシートを全て埋められる依頼者様のほうが少ないので、安心してください⭕️はじめての依頼では、最低限*部分が埋まっていれば問題ありません。デザイナーと相談しながら、想いが形になっていく過程を楽しんでみてください。

Q. 予算の決め方がわかりません…

A. 料金表を明示しているデザイナーに発注し、質と相場感を掴みましょう

予算に迷う場合は、料金表を明示しているデザイナー・制作会社に発注すると安心です。だいたいの相場がわかるでしょう。

ただし、価格が決まっているデザイナーは、その分対応できること・仕様に制限がある場合があります。依頼時に依頼シートを見せながら対応できる範囲を確認しましょう。特別なデザインや珍しい仕様は、料金表のある/なしに関わらず、別途お見積りになるケースがほとんどです。

Q. 予算を提示すると、ぼったくられるのでは…と心配です

A. 予算は早めに提示して、不安な場合は相見積もりをとりましょう

スピード感と質を保って仕事を進めていくため、予算が決まっている場合は、早めに提示しましょう。デザインの仕事のほとんどはオーダーメイドであることから、依頼内容と予算をうかがった上で、個別に提案内容を練りお見積もりを提示することになります。

もし、予算を伝えないまま見積もりを依頼すると…

  • 依頼者の予算や想定の範囲からズレた金額や品質の提案をされる(例:本当は予算5万円程度なのに、十分な成果を得るためにあれやこれや…と50万円の提案をされる)
  • デザイナーは、見積もりに合わない提案を考える時間と労力がロスになる
  • 結果、企画段階で時間がかかり、制作時間の圧迫や納期の遅れにつながる

など、お互い良いことがありません。

誠実な制作者であれば、ご予算の範囲で最大限の成果を出せるような提案をします。不安な場合は、候補のデザイナー・制作会社を2、3社ピックアップして、相見積もりを取りましょう。「デザイン依頼シート」を埋めて送るだけでも、制作側はおおまかな見積りの算出が可能です。

【さいごに】良いデザインは準備が9割

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

何事も「準備が9割」と言われますが、特にデザインは、準備段階がもっとも大切。良いデザインを生むためには、制作着手前に、デザイナーと依頼者が協力して準備や擦り合わせをする必要があります。

  • もともとの目的やねらいにもとづいているか?
  • 成果を期待できるか?
  • 周りに自慢したくなるような仕上がりか?

「デザイン依頼シート」をつくり込み、随時デザイナーとシートを見返しながらブラッシュアップを行うことで、良いデザインが完成するでしょう。想像以上のデザインがデザイナーからあがってきた時のワクワク感を味わっていただけたら、制作側である私たちも嬉しいです。

私たちgreenciderは「地域のクリエイティブ・パートナー」です。 デザイン依頼シートはもちろん、お打ち合わせを通して依頼者様の意図や抱えている思いをしっかり汲みとり、課題解決につながるクリエイティブをご提案することを心がけています。

他にも、地域に根差して挑戦する事業者の皆さま向けに、デザインやWEB、SNSを地域で活用するためのお役立ち情報を発信しています。

お役立ち資料|greencider(グリーンサイダー)

WEB制作やマーケティングに役立つ情報を無料で公開しています。デザインやWEBの初心者の方、デザイン事務所への発注経験の少ない方向けの情報も充実しています。

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また、印刷物の企画・デザインに関するご相談を受け付けています。お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。

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引き続きサービスの向上に取り組み、地域に根差して挑戦する事業者の皆さまのお役に立てるコンテンツの充実と情報発信に努めてまいります。今後ともgreenciderをどうぞよろしくお願いいたします。